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2021/03/31 22:38
殺めなければならない命なら、 せめてそれらは 余すことなく生かそう。 日本では毎年約100万頭の鹿や猪などの野生鳥獣が「害獣」として捕獲・処分されています。 その命は近年ではジビエ肉として食されるようになってきました。 しかし利用されるのは全体のわずか10%。皮に至っては1%にも満たないのが現状で、 奪われた命のほとんどはそのまま山に遺棄されています。 「『殺生』とは殺して生かすことだ。」と、あるマタギ(※1)は言いました。 人々の生活を守るため、殺めなければならない命なら、 せめてそれらは余すことなく生かそう。 そうして生まれたのがジビエレザーブランド<MAKAMI(まかみ)>です。 ※1 マタギ・・・狩猟を生業としてきた人
全国の農作物被害は158億円、森林破壊の7割は鹿による食害。
野生鳥獣による全国の農作物被害金額は約158億円(※2)にものぼります。
この金額は、農家の平均月収で換算すると約4万人分の月収に相当します。
また農作物への被害だけでなく、森林被害も深刻です。
野生鳥獣による森林被害面積は全国で約5千ヘクタール(※3)。
そのうち鹿による枝葉の食害や剥皮被害が全体の約7割を占めています。
こうした背景をふまえ、平成27年に「鳥獣保護法」が改正され、
自然環境とバランスの取れた個体管理等を行うために、
都道府県が事業者に鳥獣捕獲等を委託する事業が創設されました。
そうして増えすぎた鹿や猪らが引き起こす様々な被害を抑制し、
その生息数を適正に調整するため、
年間約100万頭の野生鳥獣が害獣対策として捕獲・駆除されているのです。
私たちの日々の生活はこれらの問題の上に常に立っています。
※2「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(平成30年度)」(農林水産省)より。
※3「令和元年度 主要な野生鳥獣による森林被害面積」(林野庁)より。
鹿や猪から
農作物を守護する存在
MAKAMI
<MAKAMI>とは真神。
かつて日本古来に生息したニホンオオカミが
神格化した大口真神(おおぐちのまかみ)様に由来しています。
「真神」はその昔、猪や鹿から農作物を守護するものとして崇拝されており、
人語を理解し、人間の性質を見分ける力を有し、
善人を守護し、悪人を罰するものと信仰されていました。
人と自然・動物たちとのあり方について考え、
作物を守護する神様より頂いた尊い命を無駄にせず、
自然からの贈り物として私たちの日常の中に取り入れる。
私たちの祖先が当たり前のように行っていた自然との共生を、
ものづくりを通じて実現することが <MAKAMI>の目指すところです。