害獣駆除とジビエについて

年間約100万頭の野生鳥獣が駆除され、9割が遺棄される現実。

農水省によると、野生の鳥獣による2018年度の農作物被害は被害金額が約164億円で、主要な獣種別の被害金額についてはシカが約55億円、イノシシが約48億円となっています。

この問題を解決するため年間約100万頭の野生鳥獣が害獣対策で捕獲駆除され、そして、捕獲駆除された鳥獣のほとんどが廃棄物として山に遺棄されるか、焼却処分されています。最も数の多いシカでもジビエ料理として食べられるのは10%以下であり、その副産物である皮革の利用は、わずか1%にも満たないのが現状です。


高齢化により減少する猟師。奪った命を余すことなく利用したい。

 増えすぎたシカやイノシシ等が引き起こす様々な被害を抑制し、その生息数を適正に調整するために猟師の存在が欠かせません。しかし、猟師の世界も高齢化が急速に進んでおり、猟師がいなくなってしまえば害獣被害は拡大してしまいます。 

猟師としての収入は、捕獲した獲物から得られる「肉」や「皮」などを売ることと、有害捕獲として得られる駆除費が主なものとなります。
しかし製品として利用可能な革にするためには、皮をはいだ後すばやく下処理をする必要があり、個々の猟師が行うには手間とコストがかかります。猟師組合のお話では、以前は皮の販売も行おうとしたものの利益につながらないため、今では皮は全て廃棄し、肉だけ加工処理しているとのこと。ジビエ革を取り扱うタンナー(皮をなめして革にする事業者)も数年前に比べると出てきましたが、消費が少ないためにあまり数が増えていません。

これらの問題を解決するための一助として、消費活動の活性化が必要と考えています。

害獣駆除された命に新しい息吹を

 『殺生』とは、殺して生かすこと。ジビエレザーブランド「MAKAMI」は、害獣駆除された命に新たな息吹を吹き込み、生かす製品作りを目指しています。 

ジビエレザーは生前に負った傷や、狩猟の際の弾痕、捕獲の際の傷、猟師が皮を剥ぐ際についたスエード面のナイフ痕などがあります。革本来の風合いを残すため、あえてそのまま仕上げており、製品にもデザインとして取り入れています。既存の既製品であれば不良とされるそれらの傷にさえも、生きてきた証のストーリーがあります。それらに思いをはせてみるのも良いのではないでしょうか。